車メーカーが行うレストア・リフレッシュサービス



車メーカーがメーカーとして、終売を迎えてから20年経過した車の「リフレッシュ・レストアサービスメニュー」を一部始めている。なんか嬉しい話だ。羨ましい反面もある。

ワクワクしたスーパーカー

スーパーカーブーム時代に幼少期を過ごした。ポルシェ・フェラーリ・ランボルギーニ・ランチアなどなど。また、外車という大きな括りで日本車とは違うオーラみたいなものを感じた。左ハンドル・右ハンドルは運転するわけではなかったのでどうでもよくて、外見でカッコイイなあと思っていた。4ドアではなく2ドアで全くもってファミリー向けでは無い車に「スーパー」な非常識や非日常的なものをを感じたのだろう。スポーツカーに憧れたということだ。

ポルシェの修理工場

子供の頃(40年ぐらい前かな)、自転車で近くの大泉学園町にあったポルシェ修理工場に見に行った。見に行ったと行っても外から見ているだけ。ポルシェしかない。代わりにいつ行ってもポルシェが数台見れた。時折、メカニックの方が手招きして近くで見せてくれたりした。これもワクワクした。

自分で運転する歳

免許を取ったのは社会人になってからと当時としては遅い。親の車を借りて事足りていたので即欲しいということはなかった。周囲では「ホンダNSX」「ユーノスロードスター」「日産スカイラインGT-R( R32 )」「トヨタスープラ」などが何かとかと盛り上がっていた頃だ。車好きな周りの人がスーパーカーブームのようによく話をしていた。子供の頃と番うのは、エンジンやサスペンション、マニュアル何速などが会話に盛り込まれていた。また、チューニングして何馬力とかブレーキをブレンボにするとかの会話もよくしていた。

地味な派手さ

この頃から純正品好きは始まっている。メーカーが出したそのままが(メーカーオプション含む)いいということだ。そんな中で、「ホンダNSX(初代)」はカッコイイなあと思った。ライトはリトラクタブルで子供の頃ワクワクしたスーパーカーみたいだ。そのままでカッコいい。歳を重ねた方が乗っているとさらにカッコいい。

その良さをいつまでも

値段は置いておいて「ホンダNSX(初代)」に限らず「ユーノスロードスター」「日産スカイラインGT-R( R32 )」には当時人を振り返らせる車だった。その良さは今もある。少なくとも、「良さは今もある。他に代わりがない。」というオーナーは多い。ガレージにしまいっぱなしではなく、思う存分に運転を楽しみたい。それにはメンテナンスが不可欠。楽しい運転をいつまでも続けたいという考えに賛同する。

車メーカーにできること

全てのメーカーがこれまで販売してきた全ての車種に対してメンテナンスを提供し続けるのは難しい。車は新車発売発表から終売を必ず迎える。また、終売から一定期間を経て部品供給も終える。これは、車に限らずメーカーとしては至極当然だ。ポルシェは故障しないということではなく、長く乗れる車だ。販売台数に対して現存する台数割合が高いことでわかる。修理をし続けることで長く乗れるサービスがある。最近では、旧車の部品を3Dプリンターで製造するという。ここまで及ばないが、特定の車種でホンダ・マツダ・日産もリフレッシュ・レストア・部品供給サービスを展開し始めた。

ポルシェは「 ポルシェクラシック 」というサービスがしっかりしている。これに続いて、メルセデスも同様のサービス「 ヤナセ クラシックカー センター 」を始めた。

エコな活動だから、是非BMWも始めて欲しい

BMWは現行の6シリーズもいいが、初代6シリーズ「 E24 」など今見ても美しい車がある。是非とも部品供給継続サービスを始めて欲しい。ドイツをはじめとしたヨーロッパはモノを大事にする地域だ。修理して使い続けるという文化がしっかりと確立されている。自動車に関わる税金を見てもその一面がわかる。初年度登録から年数が10年など経つと税金はどんどん安くなる。13年経過すると税金が高くなるは日本とは逆だ。はさらに、ドイツの例では「H(Historisch)ナンバープレートの獲得」というクラシックカー制度もある。

「製造されてから30年以上経っていること、オリジナルの状態を保っていること、通常の乗車に差し支えないことなどの条件を満たせば工業文化遺産として扱われHナンバー獲得となる。」

同じような制度はドイツだけでなく、イギリス・フランスにもある。廃車になるべくしないで長く乗る方がエコと考える。CO2問題は勿論あるが、資源の有効活用という観点から車メーカーは考えてもいいのでは。

もったいないの精神

日本にはもったいないという文化がある。直して使うのは元々得意分野なのではないか。アッセンブリー交換もいいが、ちょっとその範囲が広がりすぎている気がする。部品交換の方が効率が良いのはわかる。一方で、デフパーツなどは部品供給があれば使えるパーツは多い。

会員制サービスの提案

修理する技術を維持するために、会員制のレストアサービスやリグレッシュサービスがあってもいいのではないか。自分で直すことができればいいが私はできない。専属のお抱え修理士さんを持つこともできない。継続安定してサービスを受けるためには、その環境を維持する対価が必要となる。一人では難しいのならば会員で割り勘にし、例えば入会金と年会費を払うことでサービスを受け続けられるのであれば選択したい。質の良いサービスは在庫できないから、維持する方法としての提案だ。