ALPINA D3 ビターボ 6MT E90



ALPINA社の車で、最後のマニュアルトランスミッション車。ディーゼル車との初めての付き合い。なかなか面白い。

ディーゼル車

燃料は軽油。ディーゼルなのだから。320i(6MT・E90 LCI)と大まかには内外装は共通している。幅1,815mmなのは、ドアハンドルのライトがLCIでも付いているため。LCIだが、通常の日本仕様BMWと異なりナビは付いていない。ALPINAのディーゼルだからといって、同じ2,000ccのBMWガソリン車と比べると、やはり好き嫌いが別れる音が聞こえる。エンジンかかっている状態で、窓を開けるとちょっと我慢する感じ。しかしながら、走り始めるとこれは全くもってなくなる。ディーゼルを意識することはあまりない。燃費は普段乗りで18km/L。高速道路ではもっともっと良い。

2,000ccの4気筒ディーゼルエンジン(ビターボ→ターボが大小二つ)

ALPINA D3 ビターボ 6MT E90は、マニュアルトランスミッション仕様のみアイドリングストップが付いている。このおかげもあり、信号などで停止時はエンジンも停止するので煩わしくない。半面、エンジン始動時は振動それなりにある。これは、ディーゼル車というよりは4気筒に起因するところが大きい。ガソリン車でも直列4気筒と直列6気筒ではかなり差がある。物理的なバランスは直列6気筒(もちろんV型12気筒も)に優位性ある。実際、F30のALPINA D3は3,000ccの6気筒ディーゼルでこれには驚かされた。一方で、この2,000ccの4気筒ディーゼルエンジンは低回転からターボが効き1,500回転で40.8kgmに達する。F30 Active Hybrid 3とほぼ同じ。昔からALPINAはトルク重視な車が多く好みだ。3,000回転ぐらいからもう一つの大きなターボも効き始める。ディーゼルだが5,000回転少し超えるとこまで回る。楽しいエンジンだ。

マニュアルは面白い

マニュアルトランスミッションが好きなので、当然面白い。エンジンの特性を活かして4速と3速あたりでシフトチェンジして運転するとなかなかだ。エンジンブレーキはディーゼルなので、ガソリン車に比べると効きは弱い。高速道路ではこれも活かして、5速で走行してもキビキビ走れる。5,000回転まで回せることと、3,500回転までの大きいトルクをイメージしてシフトチェンジするのはやはり楽しい。もしかしたら、スイッチトロニックでも近いことができるかもしれない。それでも、やはり3ペダルならではの操作感は心地よいものだ。視点を少し変える。それは、マニュアル車においてガソリン自然吸気近い運転がガソリンターボ車よりもこちらのディーゼルターボの方が近い感じがする。マニュアル車はシフトチェンジの際にアクセルはなしてまた踏む動きを伴う。このアクセルワークによるターボラグはディーゼル車の方が構造上少ない。

高速道路では意外と静か

6速で走ると本当にディーゼル感を覚えません。320i(6MT・E90 LCI)ぐらいかなと考えていましたが、想像を超えていました。そして、6速でもトルクそこそこあるのでアクセル踏むといい反応が返ってくる。高速道路でなくとも、渋滞のない道では静かです。このALPINA D3はブレーキを踏む必要がない見通しのいい道路やワインディングロードで楽しむのはマニュアル車だと思う。

クセもある

しかし、「ALPINA D3のマニュアル車」にちょっとクセもある。それは、「交差点などで、速度を落としてクラッチを切ろうとすると勝手に速度があがる。」ことです。エンスト防止なのか、回転数アップか燃料供給がされて速度が自動であがるのはどうも苦手です。もしかしたら、主に街乗りが多いのであればスイッチトロニックのオートマチック車の方が性能を十分発揮できていいのかもしれません。

足回り

足回りのセッティングはやはりALPINAです。パーツ品番だけみるとALPINAっぽくないと考えていました。何か秘訣があるんでしょうね。コンフォートな感じですが、最後にクッと踏ん張る感じはこの車にもあります。ALPINAの足回りは1車種づつに考えられているからか、安全性による安心感があります。各ALPINAの特徴はやはり乗ってわかります。

やはりバランス

ディーゼル車の固定概念が変わりました。大人のディーゼルです。やはり、どこに重きをおいてバランスをとるかです。

また次の機会に。