ALPINA B3 S 3.4 ( E46 ) シート張替え計画 2/3



ALPINA B3Sの内装リペアというよりレストアを決めたものの、選択肢が多い部分と少ない部分があります。「できるだけ純正部品に交換し、オリジナルの良さを損なわないようにディーラーさんの意見を重視した修復」を進めます。

「事例収集をする」

E36のALPINAを注文する時代は、インターネットで検索なんてありません。インターネット自体はありましたが、まだまだ限られた範囲でした。ボディーカラー、シート素材など話し合いながら決めていく。何となくパターンがあるというか、決まっていますしたね。E46の頃はどんな感じだったのだろうかと検索して見ました。最も参考にしたサイトはこちら。アルピナアーカイブという名の通りです。各モデル別にボディタイプまで指定して写真を参考にしました。E46 B3S coupeですとこんな感じです。まあ楽しいですね。3シリーズに限らず、また年代も問わず一通り見ると、相当な時間がかかります。Exterior(ボディーカラー&デコ)・Interior(革の種類&色)もわかりますし、チラッと見える天井やピラーなどの色も参考にしました。色の組み合わせはいざ考えると深みにハマります。注文したイメージと違うので出来上がってから交換というわけにはいきませんからので、黒で統一やなんとなくパターンがあるのわかります。誂えるときはどんなものでも同じです。

「上品な感じ」

情報収集していると、自分の好きな感じがわかってきます。答え合わせの意味合いもありました。抽象的な表現ですが、上品さをテーマにします。これも感性なので正解はありません。E46のボディサイズや今回はクーペであること、そして発売当時から現在までの趨勢。これらをディーラーさんとかなりじっくりと話し合いました。このディーラーでお世話になっているお二人には感謝しています。「暗い感じか、明るい感じか。」まずここです。E46は保管状態にもよりますが天井やピラーなどが垂れてきます。いつまで、部品供給があるかわかりませんが純正部品を使いたいです。今回もこれに該当していますが、購入店で新品部品と交換するとのことなのでひと安心です。この段階で、どうせ交換ならグレーではない色には思いませんでした。私の中でALPINAの天井はグレーのイメージ強いんです。黒の感じはないんです。ですが、情報収集~ディーラーさんの意見を経て天井とABCピラーはグレーで決定です。

「温かみではなく、クールさ」

結論は、ライトグレーを選びました。「暗い感じ」を避けたのは、黒革だと重たく感じたせいもあります。E46 クーペだと重厚感ではなく重たい感じということです。ボディーサイズ及び室内容積が大きければ黒もいいと私は感じます。「明るい感じ」ではあるが、軽い感じにはしたくありません。ボディーカラーがアルピナブルーではなく、アルピナグリーンでしたら温かみを求めたと思います。私はアルピナブルーにクールさを感じたので、内装もそれに準じなんとなく冷たい感じでいくことにしました。革のサンプルでよく見るのは、大きくても手のひらサイズです。これだと小さくてわかりにくいんです。スーツ作るときの生地選びと似ています。上半身の半身にかぶせて、生地を波打たせたりして光沢みるのと同じということです。タンナーの協力も頂き、運転席の表面積ぐらいの原皮を見ることができたので良かったです。また、自然光と蛍光灯の下などによっても色は変わって見えます。光の反射でもずいぶんと変わります。とはいえ、あまりに沢山のものを一度に見ると分からなくなってきます。また、各革にも名前があります。グレー系はグレーだけでなくシルバーと名付けられたものも多いです。石から名前をとったものもあります。名前よりも目で見た感じを重視しました。タンナーにつてがあるので、専門業者向けの注文サイトへのアクセスもできました。あたりを付けるうえでは有効でしたが、画面と実物は異なります。そして、製造ロットによっても差はどうしてもあり、特に上質な革で明るい色にこの傾向は出やすいです。ベースが天然素材なのでこれは最終的に仕方がないと思います。こうして、シボありとシボなし一つづつ候補を絞りました。

「素材を活かすには」

料理や洋服オーダーでも素材がどんなに良くてもなんだかなあと体験したことがあります。どう活かすかです。理論が成立しても、実現できるかは全く別です。自分でお金を使って体験するのは大事です。一定の無駄というか失敗があるから無駄遣いをしなくなるという考えを私は持っています。そうした上で、依頼先を今回決めました。相当悩みました。ここでの悩みはお金でも納期でもありません。自分で最高と思えて満足できるかできないとシンプルに整理しました。切磋琢磨している方々の姿勢をまた一つ勉強させていただきました。

「調和」

試行錯誤しながら、並行して調和も考えます。元々は黒ベースの内装です。シート、ドア内張り、センターコンソール、シフトブーツ、サイドブレーキ、黒統一です。これらをライトグレーにしようと素案があります。シート位置調整のカバーから細かいところではエアバックの蓋まで含めてどう調和をとるか徹底的に調べ考えました。過去にBMW JAPANで取り扱ったことがないパーツも何点かあるぐらいです。(人柱にもなりましたが。)自己満足ですがよくここまでやろうとしたと思います。

「実行」

いろんな過程を経て計画が立ちました。ここに行き着くまでに相談にお付き合い頂き、アドバイスいただいたディーラーさんを含めた方々に感謝します。さあ、突入します。

実施内容とその結果はまた別の機会に。